心理学(恋愛/ビジネス)
アドラー心理学
★目的論★
過去の原因を探るのは解説にはなりますが、解決にはつながりません。
何が原因で行動を起すことを考えるより、何を目的として、
その行動を起こすのかを考えることをアドラー心理学では目的論と言います。
過去の原因が現在に大きな影響を及ぼすというフロイトが
提唱する「原因論」の考えとは真逆の発想です。
アドラー心理学は、「人間の行動には、その人特有の意思を伴う目的がある」と考えております。
人が、「何かをしよう」と決意する時は、必ず未来に向かっての意思が働き未来志向になります。
意味づけを変えれば未来は変えられる
原因ではなく目的に目を向けるのです。
みんなが同じ世界で生きていると思って
しまいますが、そうではなくて、それぞれ
の人が意味づけした世界に生きている。
★全体論★
“意識と無意識”“理性と感情”“心と体”は
分けられない存在である。
全体論とは、人は心の中が矛盾対立する生き物ではなく、分割不可能な存在であると
アドラー心理学では考えています。
アドラーは、人の心の中に矛盾はないといっております。
“意識と無意識”“理性と感情”“心と体”もすべて繋がっていて、お互いを補い合う存在で、
心と体など全て繋がった一つのものです。
●アドラー名言●
身体と心は、一つの全体の分割できない部分として協力する。
★ライフスタイル★
アドラーは性格と言ってしまうと持って生まれたものであって変えにくいイメージが付きまとうので、
あえて性格のことをライフスタイルと呼びます。
ライフスタイルとは、 自分の思考・感情・行動・生活の様式また、
人生観・価値観・習慣などを含めた個人の生き方です。
人は誰でも、より良い存在になろうと目的を持ちそれを目指し行動しております。
ですが、その行動は、人により違いがあり個性的なものです。
アドラーは、人それぞれの目標設定と達成の仕方を「ライフスタイル」と呼びました。
ライフスタイルは、生まれてすぐに形成し始めますので、本人は、意識することなく形成されます。
しかし、何か思い通りに行かないことやトラブルに遭遇すると、それを解決するためにその人の
「ライフスタイル」が現れます。ライフスタイルにしたがって、考えや行動を決めて行きます。
●アドラー名言●
人生が困難なのではない
あなたが人生を困難にしているのだ
人生はきわめてシンプルである。
★ライフタスク★
ライフタスク(人生の課題)は3つ!幸せは他者への関心から生まれる!
人は他者に関心を持たなければ幸せになれない!
①仕事(ワーク)のタスク
生産活動(役割・義務・責任が問われる取り組み)職場だけにととまらない。
遊びも、仕事のタスクに分類できます。大人にとっても遊びは大切な活動です。
※仕事に取り組むための課題や問題点
②交友(フレンドシップ)のタスク
身近な他者(上司、同僚、部下、友人、隣近所)とどう付き合うかという課題。
働こうとしないで友人と遊んでばかりの人達同士の付き合いは、本当の人間交流とは言えません。
人間同士の本物の触れ合いではなく、価値観が合わないと思えばすぐに別れてしまいます。
交友タスクが良好な人は、お互いに尊敬しあい、信頼しあい、協力して生きている状態のことです。
★劣等感★
劣等感は、生き辛さの原因になります。
自分は他人より劣っていると主観的に思うこと。理想や目標と現実とのギャップから湧き出る陰性感情。
自分をくるしめているものの正体は劣等感です。
しかし、劣等感は、悪いことばかりではない!
劣等感と、うまく付き合えれば、飛躍の原動力になり大きな力にもなります。
他者との比較からも生じる劣等感をアドラーは、理想の自分と現実の自分とのギャップが“劣等感”と提唱しております。
その“劣等感を健全的な劣等感”としてバネにしてプラスにいかすことができます。
自分の中の問題として健全的な劣等感として捉えてみることが大切です。
★優越性の追求★
人は、常に自分のためになることを追求して生きています。
たとえ、その方法を誤ったとしても、今より優れた存在に
なりたいと思って生きているのです。
この生き方をアドラーは「優越性の追求」と呼びました。
●アドラー名言●
全ての人を動機づけ我々が我々の文化へなすあらゆる貢献の水源は、優越性の追求である。
人間の生活の全体は、この活動の太い線に沿って即ち、下から上へマイナスからプラスへ敗北から勝利へと追行する
「優越性の追求」と対(つい)をなすものが「劣等感」です。
この2つは、人間なら誰もが持っているもので、努力や
成長の刺激になります。但し、追求の仕方を誤ると我々を
苦しめてしまうものとなります。
★劣等コンプレックス★
劣等感を言い訳にして、自分の課題から逃げ出すこと。例)太っているからモテないし、不幸なんだ!
劣等コンプレックスとは、見かけの因果律を立てて、自分が取り
組まなくてはならない人生の課題から逃げようとすることです。
AであるならBができない
AでないからBができない
※因果律:何らかの事象が起こるには、必ずそれに先立ってその原因となる事象が存在しているという原則。
★優越コンプレックス★
自分は人より優れた存在だとひけらかす態度をとる。よく自慢話をする。欠点の指摘ばかりをしてしまう。
自分を実際よりも優れているように見せようとする!
学歴や肩書を誇示する人。高価なブランド品を持ち歩く人。
自分の人生で一番輝いていたことばかり持ち出して過去の栄光にすがりつこうとする人。自分の手柄でもないのに、あたかも自分の手柄のように自慢する人を優越コンプレックスといいます。
●他者からどう見られているのかを非常に気にする人
●いつも自分が注目されたいと思い込みたい人
●自分で自分についての理想を高くしょうとする人
●始めから高いハードルを作ってしまう人
●自分に価値があると思いたい人
現実的な所で努力をしていないのに、そこを飛ばしてしまい難し
い大学に挑戦している自分がすごくいいのだと思う人なのです。
一番やっかいな優越コンプレックスは!
「相手の価値を貶(おとし)めることで、自分を優位に立たせる人」です。
これを”価値低減傾向”と呼びます。
※先鋭化:思想・行動などが急進的、過激であること。
「自分の不幸を自慢してばかりする人」「イジメ」「差別」もです!
★対人関係論 (社会統合論)★
人の行動は、対人関係の課題や問題を解決するために行われている
という捉え方を対人関係論と言います。
●アドラー名言●
究極的には、我々の人生において対人関係以外の問題は
ないように見える そして、それらの問題は我々が他者に
関心を持っている時だけ解決できるのである。
アドラーは、人間の悩みは全て対人関係の
悩みであると断言します。
例えば、
死は、愛する人との別れ=対人関係です。
どんな問題も行きつく先は対人関係である。
自分の体形が悪いとか、どうとか考える
ことは、対人がいるからです。
孤独ですら他人が居るからこそのことです。
一人で生きて居られたら孤独感はないです。
◆理想的な人間関係「横の人間関係」築く◆
<尊重ではなく尊敬する>
相手の地位や能力を尊重して扱うのではなく
無条件に相手を尊敬し、礼節をもって接する。
礼節:秩序、礼儀、ルールなどを守る
尊厳:価値ある人と思う心
<保護・指示ではなく協力する>
頼まれていない限り、相手の人生には口や手を出さない。
頼まれたらできるだけ共に問題解決の援助をする。
<信用ではなく信頼する>
条件付や見返りのある信用関係ではなく常に相手の行動の
背後にある善意を見つけようとし、根拠を求めず無条件に信じること
<同意・同情ではなく共感する>
相手の関心、考え方、意図、感情や置かれている状況などに関心を持つ
★承認欲求★
褒められたい」「認められたい」という欲求
●アドラー名言●
人間は自分自身の人生を描く画家である
それが、どんな絵になろうとも全て自分自身で引き受けるしかないのです。
●人は自分と比べてしまう人は!●
自分はつまらない人間だと知り
それでいいじゃないかと思う(自己受容する)
人間は、他人と比較する動物だと割り切り
それが、できたら次に、相手の頑張りを認めることです。
相手もきっと不安や苦悩を抱えている!
相手の頑張りに目を向けると妬ましかった相手が
自分を高めてくれる存在に変わります。
相手を通して自分を見つめ直すことができます。
★課題の分離★
●アドラー名言●
降っている雨を傘で防ぐことができても雨が降る
ことを止めることはできない、他者の感情も雨と
同じで、いくら力で抑え込もうとしても、それを
変えることはできない。つまり他人の課題に無理
に踏み込まず、課題の分離をすべきである。
★共同体感覚★
「居場所がある」「人の役に立てる」「人から信頼される」と思える場所で生きている感覚があること。
共同感覚を高く持っているほど精神的な健康に近づけます。
けして、自分本位の行動ではなく「この行動は相手のためにもなるかも?」と考えられることです。
●アドラー名言●
我々のまわりには他者がいる そして我々は他者と結び
ついて生きている 人間は個人としては弱く限界があるので
一人では自分の目標を達成することはできない 人は、弱さ、欠点、
限界のためにいつも他者と結びついているのである
自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも
貢献するのは、共同体感覚である。
他者を仲間として見ている人は、そこに居場所を見つけ仲間たちのために貢献しようとします。
このように他者を仲間と見なし、そこに自分の居場所が、あると感じられることを“共同体感覚”と
アドラーは呼びました。生きる喜びや幸福は、他者との関係からしか得ることができない!
そのためには「自己への執着」を「他者への関心」に切り替えてゆく必要あるとアドラーは考えた。
当時の心理学は、心の分析をすることでしたので“共同体感覚”とは「人はいかに生きるべきか」
を聞いた心理学者は「それは、科学ではない」とアドラーのもとを去ったそうです。
●自己受容●
ありのまま自分を受け入れる
私しと言うのは、これから先もずっと私しなのです。
どんなに癖があっても、この私を受け入れていく
自分が人と比べて劣っていると思っていると、
共同体の中に入って行けない、他者との関係の中に入って行けない
何とかして、自分の短所だと思うところを長所に置き換える
トレーニングをしないといけない
例えば、「優柔不断」と言う人がいたら、「優柔不断」ではなく
「慎重に物事を考える力がある」人ですと置き換える
そうすることで、自分の性格を見直すことで、そんな
自分を受け入れられるようになります。
●他者貢献●
自分が何らかの形で貢献していると感じられる
例えば、このグループに慎重に考えられる人が
いないといけないから私が貢献しようなどです。
●他者信頼●
他者に貢献するには仲間だと信頼できないといけない
他者が仲間でないと思っている限り貢献する気にはならないのです。
・自己受容・他者貢献・他者信頼の3つはセット!
★認知論 (仮想論)★
人間は、自分の主観的な意味づけで物事を把握します。
そして自分自身や世界(人・人生)に対する見方・考え方・価値観のことを
私的論理(プライベート・ロジック)と呼びます。
私的論理とは、その人特有のメガネのようなもので見ていることで、
前向きにでも否定的にでも、誰もがゆがんだものの見方をしていると
アドラー心理学では捉えております。
★勇気づけ★
自分や他者に対して困難を克服する活力を与える勇気づけは、自分や他者の誰かに対して
困難を克服する活力を与えることです。単に「褒める」ということではありません。
「褒められたから頑張る」のでは、いつまでも褒めてくれる誰かに依存したままです。
そうではなく、自立した人間として、自分で自分を「自分は出来る」と考え、
そのように行動できるようになることが大切なのです。
勇気づけの目的は、自分で課題を解決できる力を養うことで、
自分で自分を勇気づけられる人間になることです。
<勇気づけする>
●加点主義になる!
●相手の長所を引き出す!
●結果ではなくプロセスを重視する!
●協力的!
●失敗を受容する!
●聴き上手になる!