心理学(恋愛/ビジネス)
ビクトール・フランクルのロゴセラピー
ビクトール・フランクル
ロゴセラピーとは「生きる意味」を見出すのを援助する!
心理療法(セラピー)です。ロコセラピーは、ギリシャ語でロゴス「意味」とセラピー「治療・癒し」を合わせた造語です。フランクルは、「心のむなしさ」を抱えて苦しんでいる人が、自らの「生きる意味」を見つめ直し再発見するのを援助するための理論と方法を構築しました。
「意味への意志」こそ、人間を最も強く動かしている!
フロイトは「精神分析学」不健康な人間が対象の原因論で、「快楽への意志」です。
マズローは「人間心理学」健康な人間が対象の欲求の5段階で、「自己実現への意志」こそが、幸福へとつながる。アドラーは「個人心理学」人は、自ら選んだ目的や目標に向かって生きている。原因ではなく目的を追求している目的論で、「力への意志」こそ、人間を強くする。それに対して、フランクルの「ロゴセラピー」は、「快楽への意志」、「自己実現への意志」、「力への意志」の存在を否定したわけではありません。これらの意志は人間にとって最も必要な欲求であり、それらが、満たされなかった時の「代替え物」であると考えました。快楽を追求したり、自己実現を追求したり、力を追求したりしている人は、「意味への意志」を満たせないからこそ、心のむなしさを埋めるためにそうしているにすぎないのだとフランクルは考えたのです。
日々の仕事に「意味」を見出し「使命感」を感じて取り組む
人生の意味、働くことの意味を見出せないまま、金銭、地位、名誉を求めて働き続けても心はむなしいままです。やみくもに働き続けてもメンタルに不調をきたし、うつ病になる人も少なくありません。「働きがいが感じられない」と、転職を繰り返すことにもなります。日々の仕事に「意味」を見出し「使命感」を感じて取り組むことができていると、人間の心は深く満たされていきます。目の前の仕事を「自分の人生の使命」と感じて、仕事に取り組むことで、人は、自分の心が満たされるのを感じることができます。
人間は人生に意味を求めて生きている
1)創造価値:何かを創造して世の中に与える
2)体験価値:何かを経験して世の中から得る
3)態度価値苦悩に対して何らかの態度をとる
ヴィクトール・E・フランクル(霜山徳爾・訳)『夜と --ドイツ強制収容所の体験記録』(みすず書房、1956/新装1971)【原著初版:1947年】
ヴィクトール・E・フランクル(池田香代子・訳)『夜と霧』(みすず書房、2002)【原著・改訂初版:1977年】
『夜と霧 』(1947)、『死と愛―実存分析入門 』(1946)、より参考し引用
ロゴセラピー働く意味が分からない?
Q1.日々の生活に意味を感じません。
生きるのに意味などないのではないかと考えています。
[フランクル]どんな時も人生には、意味があります。
たとえあなたが、それを疑っているとしても。
※すなわち人生から何を私たちが、期待できるかが問題ではなく、人生が何を私たちに期待しているかがもんだいなのです。
Q2.仕事をしていても、自分が成長している実感が
得られません。 そのため、働く意欲が湧きません。
[フランクル]その仕事をあなたにとって成長の機会にできるかどうかはあなた次第。成長のチャンスになるか無駄な時間になるかはあなたの手にかかっているのです。
※事実というものは運命ではない。重要なのは私たちが事実に対してとる態度である。
Q3.毎日仕事をしながら「この仕事は自分がやらなくてもいいのではないか」と思ってしまいます。
[フランクル]どんな人にも、その人生で果たすべき「使命」が与えられています。
人は自分の仕事を通して人生の使命を果たすことで人生の意味を実現している。
※私たちに課せられた独自の意味を満たす所の仕事を荷うことは、
決して避けたり恐れたりすべきではない。
Q4.毎日残業ばかりで、仕事以外のことも、うまく行きません。
もう、人生に疲れきってしまいました。
[フランクル]自分自身に目を向けないでください。
自分の人生に与えられている意味と使命人生で
「果たすべきこと」「満たすべき意味」に目を向けて下さい。
※勇気をもって生きるか、また疲れきって生きるのかは、どんな場所にも、本人が自分の人生の意味にはっきりした信念をもっているかどうかだけにかかっている。
ヴィクトール・E・フランクル(霜山徳爾・訳)『夜と --ドイツ強制収容所の体験記録』(みすず書房、1956/新装1971)【原著初版:1947年】
ヴィクトール・E・フランクル(池田香代子・訳)『夜と霧』(みすず書房、2002)【原著・改訂初版:1977年】
『夜と霧 』(1947)、『死と愛―実存分析入門 』(1946)、より参考し引用
ロゴセラピー仕事のミスや失敗でくよくよする意味とは?
Q1.仕事で辛いことがあるとくよくよ思い悩み、落ち込んでしまいます。弱い自分を何とかして変えたいのです。
[フランクル]悩み苦しんでいることは、あなたが、「苦悩での勇気」を持っている証拠です。涙を恥じる必要はないのです。むしろそれは、あなたが苦悩への勇気持っていることを保証します。※本来、苦しみに直面しても、それを避けて、考えないようにすることで、苦しまずにすませる人もいます。苦しむ機会から逃避しております。ですから正面から苦しみを受け止める事ができる「勇気」を持った人です。
Q2.何をやっても失敗ばかりです。何かに挑戦することが、怖くなってしまいました。
[フランクル]たとえ失敗したとしても何かに挑むことで、心の深いところに満たされた感覚が残ることがあります。それが人間の精神的な成長につながってゆくのです。※仕事に失敗し、成果があがらなかったとしても、そのことは必ずしも無意味であったことを意味しません。何か失敗したとしても心の深いところで、「やるべきことはやった」という充実感が残っていれば、これから様々な経験を体験して、積み重ねていけば、人間として成熟して、精神的な成長につながります。
Q3.失敗してはいけないと思えば思うほど失敗してしまいます。
[フランクル]考え過ぎてしまうクセを治そうとするのではなく、目の前のなすべきことを淡々とやってみましょう。そうすれば、いつしか自分の考えに、とらわれない自分に気づくはずです。※どんな順序で足を動かすのかと敵に聞かれたムカデは、そのことに注意を向けたとたんに、足を動かすことが全くできなくなってしまいました。そしてムカデは、決定的な反省過剰のために死んだのです。考え過ぎることにより「失敗恐怖」に陥るのです。人間は、自分自身を見つめ過ぎるとよくないのです。失敗したことを考え過ぎず自分に与えられた仕事の役割を日々懸命に取り組むことです。
Q4.人間関係がうまくいかないと、「この職場はダメだ」と、すぐに転職をします。転職先でも毎回、同じような人間関係の問題に苦しんでおります。
[フランクル]現実をあるがままに認めること。そこからしか、何も始まりません。
※事実の目の前で、目を閉じても事実それ自体を取り除くことにはならない。問題を先送りするだけです。手厳しい言葉ですが、不幸を世界から排除することはできません。現実から目をそむけず事実を直視することが大切です。
ヴィクトール・E・フランクル(霜山徳爾・訳)『夜と --ドイツ強制収容所の体験記録』(みすず書房、1956/新装1971)【原著初版:1947年】
ヴィクトール・E・フランクル(池田香代子・訳)『夜と霧』(みすず書房、2002)【原著・改訂初版:1977年】
『夜と霧 』(1947)、『死と愛―実存分析入門 』(1946)、より参考し引用
ロゴセラピー働く意味とは?
Q1. 現在の会社では規模が小さいので、価値の高い仕事ができません。転職すれば、自分の可能性をもっと発揮できると思います。
[フランクル]仕事の価値は、その大きさとは関係ありません。仕事を通して人生に与えられた使命をどれだけ果たせているか、それだけが重要なのです。
※活動半径がどのぐらい大きいかということが重要なのではなく、人間がその使命圏をどれほど満たしているかと言うことが重要なのです。仕事の大きさではなく、与えられた持ち分において、自分に授けられた使命をまっとうできているかが、重要です。
Q2. 上司からアドバイスをもらえなかったり、提案に賛同してくれる仲間がいなかったりすると辛いです。
[フランクル]孤独な時間を持つ必要があります。孤独において人は自分自身に目覚めることができるからです。また、孤独なしには、他者との真の出会いも不可能です。※人間は孤独でなければならない。そうしてはじめて自分は独りではないし、また独りではなかったと言うことを知ることができます。人間は、自分を支えてくれている人が周りに存在していることを忘れがちな生き物です。自分を支えている存在を忘れてしまうと、「私はなんて孤独だろう」と感じてしまうのです。
Q3. 最近どの仕事をしていてもうまく行きません。
スランプに陥っております。
[フランクル]悩み苦しむスランプの期間をどのように過ごすかが重要です。
あなた次第で、その期間が大変意味深い時間に変わりうるからです。
※スランプに陥った時間を乗り越えれば、やがて過去になります。砂時計の真ん中は絶えずザーッと砂が落ちている部分が「現在」で、「未来」は、砂時計の上部で未来はこれからどうなるか分からない、「過去」は砂時計の下部で過去は取り消すことができないです。
しかし、今後の財産として、その過去を思い出すと解決のヒントになる時もあるのです。
Q4. もっとお金が欲しいです。そうすれば、まったく違う人生になるのではないかとおもいます。
[フランクル]お金は手段にすぎず、目的にはなりません。あなたのお金をあなたの人生にとって意味あるものにするかどうかは、あなた次第です。
※お金は本来、人生の目的ではないです。自分の人生を意味あるものにし、人生に与えられた使命を果たしていくための手段です。金銭を増やそうとすると衝動に駆られて金銭を追求し続けた結果、多くの人が金銭の奴隷となり金銭に支配された人生を送ります。
ヴィクトール・E・フランクル(霜山徳爾・訳)『夜と --ドイツ強制収容所の体験記録』(みすず書房、1956/新装1971)【原著初版:1947年】
ヴィクトール・E・フランクル(池田香代子・訳)『夜と霧』(みすず書房、2002)【原著・改訂初版:1977年】
『夜と霧 』(1947)、『死と愛―実存分析入門 』(1946)、より参考し引用
ロゴセラピー仕事と幸福の意味とは?
Q1. 人生の目標を見失いました。
[フランクル]もう自分自身を見つめるのはやめにしましょう。何かに向かって動き続けることです。※ブーメランが、的を外れた場合にのみ投げた手のもとに、もどってくるように、人間もやはり、自分自身の使命を見失った場合にのみ、自分にもどってきて自己実現しょうとするのです。自分自身のことにばかり考えている人は「もっと幸せになりたい」などといつも思っている人は、獲物を外したブーメランのようなものだと言うことです。
重要なのは、動き続けること。「これは面白い」「興味がある」と思ったら、やってみること。
そして、与えられた仕事を全うすることが大事です。
Q2. 日々、職場の環境が急速に変化しています。その変化にこれからもついていけるか不安です。
[フランクル]未来がどうなるかは、誰にもわかりません。未来のことを思い、わずらうのはやめにしましょう。それはただ、余計な不安を生むだけです。
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私たちは、どんな場合にも自分を変えて行く機会に恵まれているのです。自分を変えて行く自由があり、そして、誰もが自分のこのチャンスと自由を活用する権利があるのです。時代の変化は速いです。ですから、10年後の自分がどうなるか考え過ぎることに意味がありません。
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今この瞬間に、あなたの人生が求めていることをどう答えるかです。
Q3. やりたいことがたくさんあります。でも、いつかできるだろうと思い、つい先延ばしにしてしまっています。
[フランクル]今、この瞬間は二度と戻ってきません。「やりたいこと」があるのなら、先延ばしするのはもうやめて、「今すぐ」それをしてください。
※もし人間が不死ならば、人は何事も延期してもよいことになる。つまり、何事も今、行う必要がなくなってしまうのです。自分の人生を意味や価値で満たすために必要なことは自分が有限な存在であることをリアルに自覚して生きることです。与えられたこの瞬間を大切に生きることです。
Q4. そもそも「人生の意味」とはなんでしょうか?
[フランクル]すべての人の人生に意味があります。しかしそれは、ある人の人生の、その状況にだけ当てはまる「独自の意味」です。すべての人のすべての人生に当てはまる「一般的な人生の意味」などというものは、存在しません。
※その人だけ与えられた独自の悩み苦しみをその人が自分自身の悩み苦しみとして引き受け悩み苦しみぬくことは、ほかの仕方では不可能な飛躍的な人間的成長の機会になります。
その成長のチャンスを逃がすことなく、あなただけの「人生の意味を」見つけて下さい。
ヴィクトール・E・フランクル(霜山徳爾・訳)『夜と --ドイツ強制収容所の体験記録』(みすず書房、1956/新装1971)【原著初版:1947年】
ヴィクトール・E・フランクル(池田香代子・訳)『夜と霧』(みすず書房、2002)【原著・改訂初版:1977年】
『夜と霧 』(1947)、『死と愛―実存分析入門 』(1946)、より参考し引用