心理学と精神医学
精神医学(内因性)精神科領域
内因性精神障害(薬物療法で、回復後、カウンセリングと心理療法)
脳の器質的(器質的障害)や身体疾患によるものではなく、何らかの遺伝や体質的要因が、関与している精神障害ではないかと想定されている。見極めは、難しいが、これもまたカウンセリングで取り扱うことは、少ない。人や周囲の努力で治るものではなく、早めに精神科・神経科に連れて行く。病院(精神科・神経科・心療内科・脳神経外科)へ相談する。
内因性は、「脳の病気」なので、カウンセリングや心理療法というよりも精神科で医師の診断の元で薬物治療を行なうことが回復に繋がります。回復後、カウンセリングと心理療法を行うことで再発防止をする。
◆精神分裂病統(統合失調症) 原因は、不明であるが、脳の神経伝達物質のバランスの崩れや、環境、遺伝子などの因子が想定されている。本人は病気であるという自覚はない。
症状は、大きく分けて「陽性症候群」と「陰性症候群」に分けられる。
陽性症候群:何かに操られている感覚。外から考えや命令を吹き込まれていると感じる。
自分の考えが抜き取られたと感じる。
陰性症候群:喜怒哀楽の欠如。無気力・無関心による引きこもり。思考力低下による口数の減少。
◆精神分裂病緊張型(統合失調症)激しい興奮状態や混迷状態から病気が始まる
突然興奮して叫暴れます。訳のわからない行動や言動が多くみられます。
何の罪もない人を傷つけたりしてしまう精神病者は、ほとんどこの緊張型の人です。
◆精神分裂病破瓜型(統合失調症)急に日常生活がだらしなくなり、不潔になる。
活力、自発性が失われ、ぼんやりする時間が多くなる。
生気が全く感じられないという印象がある。
座らせておけば、何時間も何もせず座っています。
◆精神分裂病妄想型(統合失調症)妄想や幻覚・幻聴に苦しめられる。
「他人が自分をあざ笑う」「夫が浮気をしている」
「自分は天才である」 「誰かに後をつけられている」 などと言ったりする。
●統合失調症の対処法は、リハビリーテーションを活用し、日常生活に戻れるように社会適応能力を高める訓練を行う。薬物療法:ドーパミンやセロトニンに作用する抗精神病薬
◆躁病◆感情の高揚があり、意欲が増大し、思考が飛躍する。感情的興奮と誇大妄想的な幻覚症状を示すため、他人とトラブルを起こしやすい。とにかく疲れを感じず、精力的に動き回る。「自分に不可能はない」などと言ったりする。本人にとっては結構なことかもしれませんが、周囲の人は大変です。この病気の人は、脱却不可能な借金を平気でしたりする。「やってやれないことはない」と猛烈営業マンなどは、案外この症状かもしれない。
◆躁鬱病(双極性障害)<気分障害>
<うつ状態と躁状態という2つの状態が交互に周期的に現れる。>
躁うつ病の原因には、環境や遺伝子などの多くの因子が関与している。
突然に発症することもあるが、ストレスや心的外傷などによって発病することもある。
躁状態のときは、気分が高揚し、愉快で陽気な気分を制御できないほど興奮する。
興奮状態が続くと睡眠ができなかったり、活動が活発になったり、自尊心が強くなり、過度の
楽観的思考や注意力の欠如などがみられます。
うつ状態のときには、気分が落ち込み、意欲の減退、疲労の増加、罪悪感が強く、自己評価と自信の低下、将来に対する希望のない悲観的な考え、自殺観念、睡眠障害、食欲不振、注意力、集中力の減退がみられます。他に、性的異常行動、薬物依存、浪費、妄想や幻覚も引き起こす
◆鬱病<気分障害>
気分が理由もなく沈み、寂しくて悲しくなる。考えが浮かばなく、まとまらない。なにか物事をはじめることが億劫になる。絶望的になり、自分は生きている価値がない人間でと思い込み自殺をくわだてる。理由もなく沈むというのが理解のポイントです。
はっきりした理由があって落ち込んでいる人は、心因性の抑うつ神経症である可能性が高い。
うつ病になっている人は、もちろん自分なりに落ち込んでいる理由を話す(話さない時もある)
のですが、聴いていると、それほど落ち込んでいなく自分を責めるような話に思えないです。
<うつになる要因として心理学的>
①幼児期に自分が大切な母親を破壊してしまうのではないかという不安を幻想の中で一時的に抱くと考えられておりその不安が克服できずに再び現れることに由来する。(クラインの理論)
②不合理な「○○すべきである」という信念(固定観念)がまずあって、自分に生じた事態に対して、その信念(固定観念)に基いて半ば自動的に物事を悲観的にとらえてしまう。(ベックの理論)
<うつ病は、軽度、中度、重度に分かれております。>
(軽度:特定不能うつ病性障害)一過性のものうつ状態
(中度:気分変調性障害)性格傾向や神経症で(心因性)抑うつ神経症、新型うつ
(重度:大うつ病性障害)継続的な薬物療法が必要な(内因性)鬱病・躁鬱病
※気分に支障をきたした「うつ」「躁」などの障害全般のことを気分障害ともよびます。
◆産後うつ鬱病<気分障害>産後うつは、内因性の精神障害であり、育児ノイローゼなどの心因性精神障害ではありません。マタニティブルーとも違います。子育てによるストレスから発病するものではありません。真の原因は、外(外界:身体)にあるのではなく、内(脳内)にあります。よって、産後うつを治すためには、十分な休養と十分な栄養と適切な薬(質と量)が必要です。また産後うつの人は、病気だという自覚症状がないことが多いので、周囲の人は、出産前後の女性に対しては、いつも以上に気をかけて見ることです。
◆仮面鬱病<気分障害>身体の不調の症状のほうがが前面に出てくるので、「体の病気」という「仮面」をつけたうつ病ということで「仮面うつ病」と呼ばれています。身体的には特定の病気はないのですから当然検査をしても異常は見つからず、うつ病を見逃されてしまうことが非常に多いです。仮面うつ病の主な症状は、休んだり寝たりしても疲れが抜けない、めまい・立ちくらみ、動悸がする頭が重い感じや頭痛がする、肩・首・背中がこる、胃が重い、痩せてきたなどです。
※現在内科に通っている人の約10%は仮面うつ病であると言われています。